地域包括支援センターに転職する前に知っておくべきこととは？

働く条件

看護師が地域包括支援センターで働くには、正看護師の資格を保有していることが求められます。准看護師の資格は含まれないため注意が必要です。
さらに保健師に準ずる者として、地域ケアや地域保健などに関する経験があり、かつ高齢者に関する公衆衛生業務経験が1年以上あることも求められます。具体的には、訪問看護事業所や保健所、医療機関の地域連携室などで働いた経験です。一番看護師にとって馴染みがあるのは訪問看護だと思われるため、地域包括支援センターで働きたいものの条件を満たさない看護師は、訪問看護事業所で1年以上勤務することをおすすめします。
なお、保健師の資格があればこれらの経験は必要ないため、保健師資格があれば転職活動を有利に進められるでしょう。

必要なスキル

地域包括支援センターで働く看護師には、一般的な看護スキルに加え、地域包括支援センター特有のスキルが求められます。
まず、地域住民や多職種との連携が不可欠なため、高いコミュニケーション能力と調整能力が必要です。多職種連携においては、医師やケアマネージャー、社会福祉士、介護職員などと協力して支援計画を立て、実行していく必要があります。それぞれの専門性を理解し、利用者にとって最適なサービス提供体制を構築するために、コミュニケーション能力と調整能力は欠かせません。
幅広い知識と的確なアセスメント能力も大事です。身体的な健康問題だけでなく、精神的・生活上の問題を踏まえたうえで適切な支援につなげるためには、総合的な視点と判断力が求められます。
さらに、適切な支援計画を立案するためのマネジメントスキルも重要です。利用者一人ひとりの状況に合わせた個別支援計画を作成して実際に実行するには、目標達成までの効率的な道筋をたてるマネジメント能力が不可欠です。

向いている人

地域包括支援センターの仕事に向いている看護師は、地域住民との関わりを大切にし、地域貢献への意欲が高い人です。地域包括支援センターは地域住民の身近な相談窓口としての役割を担っているため、住民との信頼関係を築き、地域に根差した活動を行うことが求められます。高齢者と接することが好きで、寄り添う気持ちを持って支援できることも大切です。
地域包括支援センターで働く看護師には、新しい情報や制度を積極的に学び、常に変化に対応できる姿勢が求められます。そのため変化の多い地域社会のニーズに対応できる、柔軟な思考と対応力がある人も向いています。
多職種との連携が中心となるため、チームワークを重視し、協調性を持って仕事に取り組める人も向いています。

キャリアアップ方法

地域包括支援センターで経験を積んだ看護師は、多彩なキャリアパスを描くことができます。例えば、地域包括ケアシステムの中核を担う人材として、主任や管理職への昇進を目指す道があります。
また、ケアマネージャーや認定看護師、専門看護師などの資格を取得し、専門性を高める道もあります。ケアマネージャーは介護サービス計画の作成や調整を行う専門職であり、地域包括支援センターで働く看護師にとって、非常に相性の良い資格です。
高齢化が進む日本において、地域包括支援センターは重要な役割を担っています。地域包括支援センターでの経験は、今後のキャリア形成において大きな強みとなるでしょう。